せかいいちうつくしいぼくの村

2011.06.28.19:55

せかいいちうつくしいぼくの村せかいいちうつくしいぼくの村
作・絵:小林 豊 / 出版社:ポプラ社絵本ナビ


 子どもの頃「世界の子どもたち」という短いテレビ番組が好きでした。
自分と同じ年頃の子どもたちが、見知らぬ国の景色の中で、遊んだり、学校へ行ったり、時には動物の世話をする様子などがとても興味深かったのです。

 この本には、花に溢れ、すももやさくらんぼが豊かに実る「せかいいいちうつくしい」村に住むヤモという男の子が登場します。

 ある日、ヤモは、戦争に行ったお兄さんの代わりに、お父さんと一緒に果物を市場に売りに行くのです。ひとりでさくらんぼを売るドキドキと仕事をやり遂げた喜び。ご褒美に買ってもらった真っ白な子羊を連れて、夕陽を浴びながら村へ帰るヤモの誇らしく満ちたりた気持ちは、生活や文化は違っても、日本に住む子どもたちの心と何ら変わることはありません。    

 でも、最後のページ、「この としの ふゆ、村は せんそうで はかいされ、いまは もう ありません」という言葉が胸に突き刺さります。

 遠いアフガニスタンのどこかで、ヤモが元気でいますように、すべての子どもたちが住む国が平和でありますようにと祈らずにはいられません。

 何気ない日常の幸せが描かれているからこそ、戦争の悲惨さが重く伝わる一冊です。(Y.Y.)

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