スポンサーサイト

--.--.--.--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

こねこのぴっち

2017.02.23.21:21

350_Ehon_1913.jpg

「こねこのぴっち」
文・絵/ハンス・フィッシャー 訳/石井桃子 出版社/岩波書店 発行/1987年

ぴっちは少し“おませさん”。無邪気にじゃれ遊ぶきょうだいネコたちには交わらず、ひとり考えごとをしていたかと思うと、何かもっと違うことを探しに出かけます。カッコイイ雄鶏の真似をして2本足で歩いてみたり、山羊の立派な角が欲しくなって木の枝を頭につけてみたり。あひるのように泳いでみて溺れてしまっても、子ウサギたちに囲まれるとケロリと立ち直り…今度は子ウサギになりきってウサギ小屋で眠ってしまいました。

その夜中、目を覚ましたぴっちはとてもとても怖い目に遭います。毛を逆立てて怯える後姿に、読んでいる方もきゅっと胸を締め付けられるよう。すんでのところで助け出されるものの、病気になって寝込んでしまうぴっち。でも、りぜっとおばあさんやたくさんの仲間たちが一所懸命看病し、元気付けてくれるのでした。

犬のべろが作った素敵な乳母車でお祝いの会に行くところ、花咲く庭にみんなが集まって踊ったり音楽を奏でたりしている絵は幸福感いっぱい!フィッシャーの線画は、動物たちの表情や仕草がイキイキと躍動感にあふれています。

そしてぴっちは「ここがいちばんいいところだ」と思います。いろんな経験や失敗を経て自分の居場所を見つけ、自分がありのままで愛されていることに気付いたのです。そんなぴっちが、大人になった今読むと、たまらなく愛おしく感じます。

私が子どもの頃愛読したのは右開きの小型本でしたが、深緑色の表紙の大型版は絵の魅力倍増でオススメです。(S.Y)

スポンサーサイト

バスなのね

2014.10.08.22:34

バスなのねバスなのね
作:中川 ひろたか / 絵:100%ORANGE出版社:ブロンズ新社絵本ナビ


家中の椅子をつなげて、バスなのね。
一番前に運転手さん、お客さんは動物たち。降りる合図はクマさんの鼻ブザー。
シンプルな線で描かれた味わいある絵、簡単なストーリーは、単純であるからこそ、想像の世界を豊かに広げます。

「ごっこ遊び」は、見えない物がそこに見える子どもたちだけの不思議な世界。運転手さんになったり、お客さんになったり、順番を待ったり…、相手の立場や気持ちを考える力も育てていく奥の深い遊びなのですね。

話し言葉が、ですます調で標準語イントネーションになるのもおもしろい。

バスが揺れて、うさぎさんがリンゴを転がしてしまい、運転手さんがナイスキャッチする場面も、真似っこしたくなる楽しさです。

椅子がバスに見える力、私たちは、大人になる過程で、いったいいつ失くしてしまったのでしょう?(Y.Y)

しろくまちゃんのほっとけーき

2014.09.08.18:27

しろくまちゃんのほっとけーきしろくまちゃんのほっとけーき
作:わかやま けん出版社:こぐま社絵本ナビ



「わたし ほっとけーき つくるのよ」やる気満々のしろくまちゃんが、道具をそろえるところからホットケーキを焼き上げるまでの物語。しろくまちゃんは、冷蔵庫から取り出した卵を落としてしまったり、ボールから粉が飛び出してしまったりと悪戦苦闘。
「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ…」、どろどろの種が、ほかほかのホットケーキに変わりゆく見開きページは、何度も開いて声に出して読みたくなります。

友達のこぐまちゃんを呼んで、焼きたてのホットケーキを一緒に食べるしろくまちゃんのなんと誇らしげなこと。
「おいしいね これ しろくまちゃんがつくったの?」とこぐまちゃんにほめられたしろくまちゃんは「そうよ おかあさんと いっしょにつくったの」と答えます。

このお話の陰の立役者はおかあさん。しろくまちゃんが、卵を落としても、種を飛び散らせても、じっとそばで見守っていて、卵を割るなど難しい作業は手伝っている様子です。子どもは、見守られている、愛されているという安心感を一番の栄養に成長することをあらためて思います。

はっきりした線と色、単純でテンポの良いストーリーで、赤ちゃんから楽しめる貴重な1冊です。(Y.Y)

おしゃべりさん

2014.04.29.22:49

おしゃべりさんおしゃべりさん
作・絵:さいとう しのぶ出版社:リーブル絵本ナビ


わたしたちの身近にある物が、もしもおしゃべりをしたら、何とつぶやくのでしょうか。たとえば、まくらの会議。おとうさんのまくらが「いびきがうるさくて困っています」と発言すれば、おかあさんのまくらは「それはわたしも同じです」と答え、子どものまくらは「きのう、まくらなげをされてからだのあちこちをぶつけました」と訴えます。

ふでばこの中のピンクの消しゴムは、白い消しゴムに「おまえ、いちごのにおいがするんだってな。そういうのにかぎって、あんまりきえなかったりするんだよな」と言われて、「そんなことないわよ!わたし、ゆせいペンだってけせるんだから!」とうそをついてしまったので明日学校へ行きたくないと嘆いています。
プチトマトやわさび、かぜぐすりにすいとう、そして、トイレのマークまで、30のおしゃべりは、どれも、なるほどと頷きたくなるおもしろさでクスッと笑ってしまいます。

この本を読んだ後は、部屋の中のいろんな物の声が聞こえてきそうです。冬物コートは「そろそろクリーニング屋さんに連れていってほしいな」なんてつぶやいているかも。  
子どもたちと一緒に心の耳を澄ませてみませんか?(Y.Y)



大きな木

2014.03.01.12:01

おおきな木おおきな木
作・絵:シェル・シルヴァスタイン / 訳:ほんだ きんいちろう出版社:篠崎書林絵本ナビ



男の子は、大きなりんごの木が大好きで、木の枝にぶらさがって遊んだり、かくれんぼをしたり…いつも木と男の子は一緒でした。でも成長するにつれ男の子には、お金が必要になりました。

木は久しぶりにやってきた男の子に実を与え、またあるときは家を建てるために枝を与え、人生に疲れた年齢になった男が船を作るためにとうとう幹までも与えます。そして、最後には切り株だけになった木のところに老人になった男の子がやってきて腰を下ろすというお話です。

この本は私が学生のときに英語の教材に使われたことがありました。
「英語題をつけてみましょう」という課題が出て、この本の原題が「The Giving Tree」ということを知りました。まさにすべてのものを「与える木」だったのです。
当時の私は、男の子はわがままで、木はなんとかわいそうなのだろうと思ったものでした。
でも、今では、愛する男の子のためにすべてを与えた木は本当に幸せだったのかも…と思うのです。

「与えること」の解釈は難しいですが、相手の幸せを心から願う気持ちに置き換えて考えればいいのかもしれません。
誰かを愛することの原点に立ち戻らせてくれるような一冊です。そういえば、聖書にも「受けるよりは与えるほうが幸いである」という言葉がありました^^

春は、別れと出会いの季節。
子どもも大人も、別れる人から貰ったたくさんの喜びや愛をこれから出会う人に与えることができますように。(Y.Y)


しんせつなともだち

2014.01.28.14:15

しんせつなともだちしんせつなともだち
作:方 軼羣 (ふあん いーちゅん) / 絵:村山 知義 / 訳:君島 久子出版社:福音館書店絵本ナビ



昨年は夏の暑さがとても厳しかったですが、確実に季節は巡り、短い秋の後、また寒い京都の冬がやってきました。

冬の森、食べ物を探しに出かけたうさぎはカブを2つ見つけます。

「ゆきが こんなにふって、とても さむい。ろばさんは、きっと たべものが ないでしょう」
うさぎは、かぶを一つ食べ、もうひとつをろばの家に届けます。

ちょうど食べ物探しから帰ったろばは、家に置いてあるかぶを見つけて、こじかの家に届けます。
そして、こじかはこやぎの家へ。

順につないでいく「しんせつ」のリレーは、誰の心にもポッと明るい光を灯します。
そして、期せずして自分のところに戻ってくる「しんせつ」の不思議。 

ともだちのことを心配するということは、大切なものを分かち合うということ。
それは、ともだちも自分も幸せにするということを、小さな子どもたちにもとてもわかりやすく教えてくれる一冊です。

寒い冬の日も心がぽかぽかと温まります。(Y.Y)


あなたがうまれたひ

2013.10.03.20:16


 
あなたがうまれたひあなたがうまれたひ
作・絵:デブラ・フレイジャー / 訳:井上 荒野出版社:福音館書店絵本ナビ



 パンダ園や子ども文庫では、ときどき生後数カ月の赤ちゃんに出会います。

 目が合うと、赤ちゃんの方からニコニコと笑いかけてくれることがあり、こちらも思わず笑顔にさせられます。

 こんなに無力で小さな存在なのに、誰にも教えられていないのに、どの子にも生まれながらに人を幸せにする能力が備わっているのです。

 この絵本は、赤ちゃんの誕生を、地球も地球で生まれた仲間たちも太陽も月もみんながどきどきしながら待っていたことを教えてくれます。
「あなたがうまれてとってもうれしい」というメッセージをすべての子どもたちに伝えたい。
ちょっと自信を失くした大人にも、こんなに歓迎されて生まれてきたことを、そして自分自身が周りの人たちを幸せにしていたことを思い出してほしい。

 そして、この絵本、実は「かがくの本」でもあるのです。旅する動物たちや回る地球のこと、潮の満ち引きや大気の役割、そしてわたしたちのこと、少し大きくなったら、あとがきで詳しい解説を読むことができます。赤ちゃんを育む森や空気や海の清らかさを、そして平和を守っていきたいと強く思わされます。(Y.Y)

アイラのおとまり

2013.09.03.21:29

アイラのおとまりアイラのおとまり
作・絵:バーナード・ウェーバー / 訳:まえざわ あきえ出版社:ひさかたチャイルド/チャイルド本社絵本ナビ



今日は、なかよしのレジーの家に初めてのおとまり。宝物を見せて、プロレスごっこをして、まくらなげをして、手品をして、ゲームをして、ドミノもやって、虫めがねで顔をのぞきっこして…想像するだけで、ワクワクして楽しみでなりません。
でも、大問題がひとつ!いつも一緒に寝ているくまのぬいぐるみはどうしよう。

連れていきなさいというパパとママと、連れていったら笑われるよというおねえちゃん。

ひとりでおとまりに行けるくらい大きくなったのに、くまちゃんがいないと眠れないなんて…そんなはずかしいこと、レジーに言えるわけがない!アイラは一大決心をしてくまのぬいぐるみを連れて行かないことにしました。

さて、二人はいったいどんな特別な夜を迎えたのでしょうか?

子どもたちのプライドと心細さとのせめぎ合いが絶妙です。

後から思えば成長のひとコマなのですが、彼らの真剣な葛藤に共感できるのは、誰にも覚えがあることだからかもしれません。
アメリカで40年近いロングセラーの絵本です。(Y.Y)

よーするに医学えほん からだアイらんど おなか編

2013.04.27.18:31

よーするに医学えほん からだアイらんど おなか編よーするに医学えほん からだアイらんど おなか編
作:きむら ゆういち 川田 秀文 / 絵:中地智出版社:講談社絵本ナビ


おなかが痛いのがとても辛いのは子どもも大人も同じ。
どうしておなかが痛くなるんだろう?薬を飲むとおなかの中がどうなっていくのだろう?…そんな疑問を楽しくドラマ仕立てで解き明かしてくれるのがこの本。

人のからだを一つの島にたとえて、口の港に届いた物資(食べ物)が様々な危機を乗り越えて、運び分けられ最後はゴミとなって肛門ゲートから排出されるまでを、わかりやすく楽しく描いています。下痢や消化不良、胃潰瘍などのピンチと闘うのはペプシンジャーやアルカリ娘、バクテロリストの攻撃にはビオフェル民族やオオタイイさんやガスタテンコさんが助っ人し、最後には、ウンチプレスマンが登場するまで、いろんなキャラクターが個性的でかつホンモノっぽい楽しいネーミングで大活躍するのです♪

自分のからだの中で、常にこんな大戦争が繰り広げられているとは、人体はなんて不思議ワールドなんでしょう!?お布団の中でおとなしく寝ながらおなかの中のドラマに思いを馳せてみると、少しはしんどい気持ちが安らぐかもしれません。(Y.Y)

わすれられないおくりもの

2013.02.10.16:45

わすれられないおくりものわすれられないおくりもの
作・絵:スーザン・バーレイ / 訳:小川 仁央出版社:評論社絵本ナビ



 生き物として生まれてきた以上、いつか必ず、大切な人の死、そして、自分自身の死を迎えることは免れないことです。そのことを頭でよくわかっていても、深い喪失感、絶望感を拭い去ることはできません。かけがえのない人を失った悲しみをどう乗り越えていくのか…。

 冬のはじめに、皆に頼りにされていたアナグマが死にます。仲間たちの悲しみは深く、皆は途方にくれますが、アナグマの思い出を語り合ううちに、彼が残してくれた様々な素敵な知恵や工夫、その優しさに気づいていきます。確かに継承されているアナグマの生きた証は、残された者たちの心の中に息づき、皆を幸せにしてくれるのです。またトンネルのむこうの世界へ向かうアナグマの足どりは軽く、死は決してつらいものとして描かれていません。
 
 死を見つめると同時に、自分もまた家族や仲間に何を残して生きることが出来るのかを考えさせられる一冊です。柔らかな水彩で描かれる動物たちの姿もとても生き生きとしています。(Y.Y)


カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
アクセスカウンター
リンク
QRコード
QR
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。